2009年02月02日

海には酸性化の危機も



 温暖化が進むと海で、酸欠による大量絶滅が起きる可能性がある話を、先週書きました。

 今度は、酸性化の危機を、26カ国、150人以上の海洋学者が世界に向けて訴えました。

 海が酸性化すると、珊瑚礁が壊滅的な影響を受けると共に、漁業資源にも大きな影響を与えると警告しています。

 そして、その変化は数十年の内に急速に進み、一度進んだ酸性化を戻すには、数千年かかると指摘しています。

 海洋の循環が遅くなることによる酸欠に、メタンハイドレート融解による酸欠、そして、今回指摘されている酸性化と、温暖化が海に与える悪影響は様々予測されています。

 2億5000年前に起きた生物の大量絶滅の際も、生物全体では90%の種が絶滅しましたが、海洋生物に限れば、96%という高い比率で絶滅しています。海中の生物の方が変化に弱いようです。

 科学者達は、早期にCO2濃度を固定化する必要性を訴えていますが、果たして人類は実現できるでしょうか。

モナコ宣言(2008年10月のシンポジウムの内容を政策立案者に向けた提言としてまとめたもの)

モナコ宣言に関するUNESCOのプレスリリース
posted by otomi at 14:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 海洋酸性化は、水が空気の比重の約2千倍ですから、大変な事が起き始めている様です。二酸化炭素を固定する植物プランクトンやサンゴが住みにくくなってきているので、魚類への影響も必至です。
 海洋の湧水流のカルシウムイオンが二酸化炭素を固定して6キロの厚さの炭酸カルシウムを蓄積しているところもあるそうですし、マリンスノーも海底のメタンハイドレートとなってメタンを蓄積してくれているのでした。
 海洋酸性化や温暖化で、炭酸カルシウムやメタンハイドレートが溶出したり、植物プランクトンの骨格が奇形になったりするそうです。大気中の二酸化炭素が640ppmになると、CaCO3タイプの炭酸カルシウムを骨格とする生物は、海洋酸性化で溶出して完全に全滅するそうです。その前に450ppmあたりが生態系を維持する限界だそうです。産業革命以前の280ppmから今は380ppmまで増えています。
 膨大に蓄積された温暖化ガスが溶出する事態は避けたいものです。陸上では、泥炭層の乾燥による森林火災や分解気化が続いており、ショッキングな事に、光合成が放出された粒子の遮光で、温暖化ガスの発生源に転じている熱帯林も増えているそうです。膨大に温暖化ガスを蓄積してくれている海が何時かしら発生源に転じる事の無い様にと祈るばかりです。
Posted by 地下水 at 2009年05月05日 22:17
 地下水さんコメントありがとうございます。

 土壌も、海洋も、温暖化すると、ますます温暖化を加速させる、正のフィードバックであると考えられています。

環境省 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第4次評価報告書統合報告書 統合報告書の概要 p40
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/4th/ar4syr.pdf

 一刻も早くCO2削減を進めなければ、一旦、温暖化の加速が始まると、速度をゆるめる事は非常に難しくなりそうです。
 
Posted by otomi at 2009年05月06日 14:20
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