その性能競争という面で言うと、今度の新型プリウスについて、残念な事があります。それは、排気量を1800ccにしたことです。
2400cc並の運動性能を持ち、燃費をさらに向上させるというのは、素晴らしい技術力ではありますが、方向性として、プリウスを買いたいと思う人たちが、果たして、力強い加速感なんて求めるでしょうか?
それでなくても、燃費良く加速するため、5秒で20kmという、「ふんわりスタート」が推奨されている時代です。そして、環境問題への感度が高い人たちは、そのような穏やかなスタートを現状でもしているはずです。
プリウスを買いたいと思う人たちは、そんな、感度の高い人たちなのではないでしょうか。
力強い走り、余裕のある走りを求める人たちを対象にするなら、カムリやマーク2に、1800ccのエンジンを載せてハイブリッドにすれば良いのです。そうすれば、今と同程度の走りで、しかも格段に燃費を良くできます。
プリウスは、あくまで、1500ccのエンジンで燃費向上に特化して欲しかった。そうすれば、カタログ燃費で1リットル40km以上になるのではないでしょうか。
とりあえず、1800ccで出すとして、早急に1500ccの燃費重視のグレードも設定し、併売する現行プリウスと入れ替えて行くというのはどうでしょう。
プリウスには、走りの良さなどより、環境対応車としてのフラッグシップであって欲しいと願います。
この話、まだ続けます。
プリウスにはアトキンソン(ミラー)サイクルエンジンが採用されており、一般的な高排気量イコール低燃費という図式は当てはまりません。1800ccにすることにより低回転で必要な出力を得ることによって、低燃費化を図っています。
また、走行中、エンジンによって発電された電力で直接モーターを回すことによって低燃費化を図っています。
ハイブリッド車には今までの車に対する概念は当てはまりません。
これから、電気自動車等、「エコカー」と呼ばれる車がいろいろでてくると思いますが、初代プリウスが発売されて10年あまり、トヨタには技術的蓄積があり、一日の長があります。プリウスは技術者が叡智を結集した車です。これでは技術者に対して失礼です。
環境ジャーナリストと称されるなら、しっかり取材し、裏付けのある記事を書かれることを望みます。
GMが潰れてハイブリッドカーが売れる。今、車に対するパラダイムは確実にシフトしています。
このような記事を書かれていては、アナクロニストとバカにされますよ。
アトキンソンサイクルの採用は初代からです。
1800ccにしたのは、走りに余裕を持たせる事が一番の目的でしょう。
とくに欧米の市場を重視して開発したと思われますから、高速を延々と走るような使い方でも余裕ある走りができるよう、2300〜2400cc相当という走行性能を持たせたのでしょう。
燃費の事だけを考えれば1500ccの方が当然良いはずです。
その証拠に、新型プリウスの開発責任者、大塚明彦チーフエンジニアは、次期プリウスの方向性について、小型・軽量にして、さらなる燃費向上を狙うと話しています。
「4代目プリウスは小型・軽量に」
http://otomitv.seesaa.net/article/120204874.html
まあ、エンジンも小型化するとは書いてありませんから、もし、車体は小型化したのに、なお、エンジンが1800ccであったなら、E. Tanakaさんがおっしゃるように、1800ccエンジンの方が燃費が良い事になるでしょう。